【エッセイ】絵を描く理由05 写生大会

(c)Fuzuki Arai

 

前回はこちら

 

一層、孤独が好きになった私は、その後どうしたか。

 

小~中学生、さらには高校生まで絵を人に見せること自体を極力控えるようになった。トラウマというのか、妬みの対象になるのを恐れたのだ。

 

それでも小学校では絵を描く授業になると、何かしら人前で自分の作品をさらすことになる。

 

写生大会などはいい例で、私はなるべく「金賞」などをとらないようにしていた。

例えば、わざと8割ほど空ばかりにするなど意表をつく画面構成にする。

 

今考えてみるとそれはデザイン的にも優れたものなのだが、地元の小学校の風潮というのは、金賞になりそうな作「小学生らしい」絵が好まれる傾向があった。画面に緑があって、山があって、建物や空がバランスよく配置されるもの。紅葉シーズンでは色とりどりの葉が描いてあるとなおよいかもしれない。決して奇をてらい注目を集める手法が好まれるものではなかった。

 

私は、王道だと金賞っぽい絵になるので嫌だった。とはいえ作品のクオリティは下げたくないという、精一杯の矛盾を従えた感情は、奇をてらう画面構成にする変な描き方になっていった。

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。