金箔の貼り方 膠を使った下地つくりの方法

投稿者: Atelier Fuzuki Arai 投稿日:

信長 立命館アジア太平洋大学(APU)所蔵

古来より、日本では金や銀などの金属が絵画の材料として用いられてきました。
現代は金だけではなく、プラチナやアルミなども使用されています。

金箔をどう貼っていくか流れをざっくり説明すると、以下になります。

1 箔を選ぶ

2 紙にロウを塗り、台紙に箔を張りつける

3、必要な枚数を用意し、その後は絵に膠(にかわ:接着剤)を水で薄めたものを三度塗りする。三度目に膠を塗った後、乾く前にすぐ箔を貼付ける

1.まずは箔を選ぶ
今回は純度100%の金ではなく、真鍮入りの洋箔を用意しました。5~6年でも色は若干変色しますが、その具合も含めて味としたいので、あえて洋箔青口を購入しています。値段は50枚/1700円と意外にリーズナブル。

今回はこれを「※信長」の背景に金箔を張ってみます。
※現在は元ライフネット生命の出口治明さんが学長を務める、立命館アジア太平洋大学(APU)学長室に所蔵

2.紙にロウを塗り、シールの台紙ように箔をピッタリと張りつける
画面サイズを計測し、どれくらいの箔のセットが必要なのかを把握しておくと無駄を省けます。この絵の場合は25号Mサイズなので803 x 530mm。つまり必要な金箔の枚数は20枚とわかりましたので、あらかじめ用意します。
ロウ塗りが面倒な場合は、すでにロウが塗ってあるアカシ紙に金箔を載せると手間が省けます。
※画材屋でも、たまに古いアカシ紙を出す店があります。その場合は張り付きが悪くなるので、取り扱っている年数に注意しましょう

3.絵に膠(接着剤として)を水で薄めたものを三度塗りする。三度目に膠を塗った後、乾く前にすぐ箔を貼付ける

箔と箔の間は少し被るくらいにすると隙間ができにくいです。もし余白ができた箇所あれば、余った箔をカッターで適度な大きさにカットし、隙間を補強しても使えます。

4. 面積の大きい箇所に箔を張りおえた後、細かい場所を貼っていく

写真は細かい箔がでてきたので、乾いた筆を使用し余った箔を押し当てている状態です。

5. 小さい余りの箔が大量にでてくるので、それを余白で下地が露出している部分に膠で薄め貼り付ける

自分は、かなり画材を大切に使うほうなので、乾いた筆を使用し余った箔は他の隙間に押し当てて使用します。

下地作成が完了しました。参考になりましたでしょうか。
個人的には、イメージよりも美しい仕上がりでしたので嬉しいです。


4件のコメント

s kyami · 2020-05-26 16:55

分かりやすい画像とご説明ありがとうございます。この箔貼りの後に上から絵の具で描かれてますが、色はのるのですか?
とても綺麗なラインがはっきりしているのでお聞きしました。膠を薄くドーサのように引いてから着彩したのですか?

    Atelier Fuzuki Arai · 2020-05-29 22:54

    水彩絵具などは水分量が多く、絵具が箔に弾かれ色がのりません。アクリル絵具は濃いめであれば普通に色がのります。またドーサ引きを2回程すれば、日本画の顔料でも塗ることは可能です。

Atelier Fuzuki Arai · 2020-02-04 10:42

お役に立てたようで何よりです。

たなか一村 · 2019-11-07 15:21

とても参考になりました。ありがとうございます。

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